ブックレビュー:「議論のレッスン」

ブックレビュー

投稿 by いつのまにか中年オヤジ

タイトル:議論のレッスン

著者:福澤一吉 NHK出版

 

 

 議論とは何か

議論とは何か、おそらくほとんどの人が言葉は知っていてもその中身までは詳しく考えたことがないのではないかと思う。かくいう自分もその一人だ。

しかし、団体交渉などでの議論(討論)を聞いていても、お互いの議論がかみ合っていないな、という印象を受けることが多く、何か根本的なところで間違っているのではないかと思っていた。

そこで、この本を読んでいて「はっ」と気づかされたことがある。

「日常の議論」から「よりフォーマルな議論」へという章で、このような会話を例としてあげている。

 

太郎 「今日のお昼はカレーにしようよ」

次郎 「どうして」

太郎 「だって昨日はラーメンだったじゃない」

次郎 「そうだね。そうしよう」

 

ここに挙げられているように、普段なにげなく行っている会話の中であっても、太郎の「カレーにしよう」という主張(結論)はそのままでは通らない。

だから次郎は「どうして」と聞く。

そこで太郎は「昨日はラーメンだった」という根拠を述べている。

自分の主張を根拠によって裏付ける行為を「論証」というが、まさにそれをおこなっている。

しかし、「昨日はラーメンだった」という根拠から「今日はカレー」という結論には飛躍がある。

実はここに「隠された(明示されていない)根拠」があるという。

それは、「昨日食べたものを今日もまたお昼にくりかえし食べるのは嫌だ」といった根拠があるというのだ。

なるほど、言われてみれば確かにその通り。

この隠された根拠がみんなの共通認識になっているとき、敢えて明示する必要はないのだが、団体交渉などフォーマルな議論になった時はそうはいかない。

隠された根拠を明示しなければ、認識できないのだ。

 

トゥールミンの議論モデル

現代イギリスの分析哲学者トゥールミン(Toulmin)という人が考えたトゥールミンの議論モデルでは、

この「隠れた根拠」のことを「論拠(Warrant)」というそうだ。

論拠とは聞きなれない言葉だが、普段この隠れた根拠である論拠にスポットを当てると、議論がより深まるというか、より皆の納得のいくものに変わっていくという。

 

詳しく知りたい方は本書を読むか、トゥールミン・モデルで検索してもらいたい。

他にも当たり前に思っていることを改めて気づかされることが多かった。

目からウロコの本。ぜひご一読を。

 

 

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