2015年10月19日 2015年年末一時金および労働諸条件の改善に関する要求書

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15秋闘要求書を提出

わかやま市民生協労働組合は、10月16日に第29期第1回中央委員会を開き、秋闘要求を確認、翌月曜日に要求書を理事者に提出しました。

以下はその全文です。

2015年10月19日

わかやま市民生活協同組合

専務理事 殿

わかやま市民生協労働組合

執行委員長

2015年年末一時金および労働諸条件の改善に関する要求書

貴理事会の日頃のご奮闘に対し敬意を表します。

Ⅰ.要求趣旨

1.私たちをめぐる情勢の特徴

①安保関連法案(戦争法案)

安倍首相はオバマ大統領との首脳会談で、日米同盟の強化、集団的自衛権の行使などを約束し、「戦争法案」とも言われる「安全保障関連法案」を国会に提出しました。

しかし、この法案については、憲法審査会で自民党推薦を含む3人の憲法学者が「憲法に違反する」と述べています。また、衆議院安保法制特別委員会では、元法制局長官二人からも「違憲」であるとの見解がだされました。

それらの意見について安倍首相は、そのときどきの状況により、憲法の解釈が変わるのは当然だと切り捨て、国会を過去最大の95日間延長し、「戦争法案」を成立させました。

9月19日未明、参議院本会議にて、安保関連法案(戦争法)が与党の自民党、公明党、野党の日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の各党により賛成148票で可決・成立しました。

このことはまさに、国民の声を無視した民主主義の破壊であり許されることではありません。法案は可決されましたが、引き続き廃案に追い込むべくこれからも運動を続けていく所存です。

②食と農、雇用を破壊するTPP交渉と農業・農協つぶしの加速

環太平洋連携協定(TPP)交渉の「大筋合意」を受け、オバマ米大統領は、「アメリカの価値観を反映した協定の交渉を完了した」と宣言しました。

TPPは、貿易協定の枠を越え、多国籍企業中心の経済秩序を目指す協定です。米国が主導し、米国基準を押し付けるものです

安倍晋三政権は、「米国とともに新しい経済圏をつくる」ため、国内経済への甚大な影響を度外視して、「大筋合意」を急いだのです。

しかし、一番危険なことは、安倍内閣が国会決議を無視してアメリカのいいなりになることです。

また、農協改革関連法案(農協解体法案)など農業・農協つぶしも加速されています。これは農業協同組合を、グローバル企業をはじめとした大資本との市場競争に投げ入れ、農協の総合事業を弱体化させ、家族的農業をいっそう窮地に追い込むものです。

さらに、この農協つぶしは、協同組合つぶしへの波及となる可能性もあることから、許されるものではありません。

③労働者をとりまく情勢

厚生労働省の発表(2015年5月)によると、物価変動を加味した実質賃金指数は前年同月比0.1%減で、25ヶ月続けて前年割れでした。大企業が法人税の引き下げや優遇税制などの恩恵をうけながら、労働者の賃金を抑制し、内部留保を積み増ししている状況が依然として続いています。

総務省労働力調査(2015年5月)によると、総労働者5245万人のうち非正規労働者は1979万人と労働者全体の37.7%が非正規労働者となっています。女性非正規においては、1343万人と非正規労働者の69%となっています。

男性正規と女性正規の年収格差がある中で、女性非正規に至っては、男性正規の3分の1程度の年収でしかありません。

こうした実態を改善するために、最低賃金の大幅引き上げと均等待遇の実現、子育てや介護などの社会保障を拡充し、ワークライフバランスを確立して、自立して生活できる賃金と働き続けられる社会づくりが必要です。

2.和歌山県内の情勢

いま県民のくらしは、ますますたいへんになっています。和歌山県は年々人口が減少し、「近い将来、集落が無くなってしまう」と不安を抱えるお年寄りや「働く場所がない」と悩む若者が増え、県民の中では「和歌山は、どうなってしまうのか」という不安が渦巻いています。

県内の事業所数は2009年から2012年の3年間で7%減少し、なかでも従業員4人以下の小規模事業所は1割も減っています。

農林水産業では就業者数がこの30年間で半減し、2010年国勢調査では、とうとう10%を切り9.6%まで下がっています。

県民の生活悪化は生活保護の増加にも現れ、県内の2014年3月時点の生活保護世帯は11,896世帯で、過去最高を記録し、就学援助を受ける児童・生徒数も年々増加しています。

昨年の9月県議会では早期に憲法「改正」を求める請願が出され、自民・公明党等の賛成により採択されました。

また、4月に行われた県議会議員選挙の結果、自民党が引き続き県議会で3分の2を占めるとともに、維新の党が初めて議席を確保しました。

今後、いっそう、県民の願いに応えず、安倍暴走政治を応援する県議会となることが懸念されます。

3.わかやま市民生協の労働者をめぐる情勢

わかやま市民生協の人員不足は深刻さを更に増しています。

2014年度では入協する職員よりも退職する職員が大幅に上回り、職員数が減少しました。

昨年末には、わかやま市民生協の採用時給が和歌山県最低賃金に抵触すると判断され、労働基準監督書からの指導が入りましたが、その対応は最低賃金715円を下回る場合に調整給を支払うという是正で、本来の最低賃金法の主旨を捻じ曲げています。

また、今年の最賃改正では、16円の見直しがあり731円に引きあがりましたが、昨年同様に調整給での対応をすることが報告されています。

しかし、この対応では、人材確保の面からも競争力は更に低下し、人事制度上からも矛盾が更に拡大します。有効な人材確保において、労働条件の大幅な改善はまったなしの状況となっています。

店舗では、来客数が増え、事業的改善が進んでいます。しかし、その一方でまだ36協定違反は存在しており、今後さらにコンプライアンスが求められています。

宅配では、慢性的な人員不足が、正常な業務運営を困難にしています。営業の職員はほとんどが配送にかり出され、最近では、本部のマネージャークラスも配送にかり出される状態です。

エリアスタッフ(パート)には、ほとんど週労20時間未満の契約しか行わないにも関わらず、契約を大幅に超えた配送業務を依頼しつづけるなど、労働者の良心にたよった運営が続いています。

本部では、パート労働者にこれまで正規がしていた業務が振り分けられ、配送現場での人不足に正規職員がかり出されることも相まって、契約時間で終われない長時間過密労働が生まれています。

物流では、太陽光パネルが設置されましたが、夏の暑さ対策には不充分さが残っています。パート労働者が定年を向かえ退職や再雇用に変更となる中で、その穴埋めはアルバイトや外部委託に置き換えられています。いまだに再雇用者の交通費が無い問題など、改善も急務の課題となっています。

4.回答にあたって

10月16日の中央委員会は各分会から多くの仲間が集まり大いに意見を出し合いました。

全国トップレベルの利益率を生んでいるのは、最低賃金にも抵触するような低い賃金体系や慢性的な人員不足の中で働く労働者の奮闘があったからです。そのことを受け止めて、この秋は貴理事会に、賃金・一時金・労働諸条件の改善を強く求めるものです。

なお、回答については「現行通りとする」「改善を考えていない」とするときは、その理由を明記すること。また、回答は文書にておこない、全国一斉回答指定日である11月5日までに行うこと。

Ⅱ.2015年末一時金要求

1.年末一時金に関する要求

1)年末一時金はパート職員・アルバイト職員・シニアスタッフ職員に月数1.79ヶ月を支給すること。

2)年末一時金は正規職員に月数2.09ヶ月を支給すること。

Ⅲ.労働諸条件の改善に関する要求

1.労働時間、休日に関する要求

1)正規職員の今年度の指定休日の総日数と上期の指定休日の取得状況を、明らかにすること。

2)正規店舗職員の上期の休日取得数を明らかにすること。

3)指定休日は個人からの希望を聞いた上で調整をおこない、直前での指定とならないよう余裕をもった指定を行うこと。基本的に連続休暇とすること。

4)正規職員の今年度の有休休暇取得計画の有無と、9月末までの取得状況を明らかにすること。

5)エリアスタッフ(パート)で契約曜日、契約時間外で、今年の7月から9月で配送したコース数を明らかにすること。かつ、3か月に渡り同じコースを配送した人数を明らかにすること。

6)エリアスタッフ(パート)に契約時間外での配送を依頼した際、3ヶ月を超える契約時間外での就労実態がある時は本人の希望を聞き、契約時間を見直すこと。

7)法律に沿って、実際に就労した時間で雇用保険や、社会保険の対象になる方には説明をし、保険をかけること。

8)職員全員に法定時間どおりの昼休憩をとらせること。また、管理者は実態についての管理を正しくおこない、取れていない場合は必ず賃金保障を行うこと。

9)岩出中央店は正月三が日を休日とすること。

10)職場ごとにサービス労働の有無を点検し、あれば是正すること。

2.人事制度に関する要求

1)考課面談は新人事諸制度手引書(職員用)通りの期間内に行うこと。

2)昨年度、新人事諸制度手引書(職員用)の期間に考課面談・目標面談をおこなわなかった事業所・人数・原因を明らかにすること。

3)パート、正規とも新入協者には目標統合の面談を行うこと。また、期中の異動も手引書どおりに考課を行うこと。

4)目標統合は、面接シートを書かせるだけでなく、目標統合の面談を行うこと。

5)現状の職務の名称・職務内容に応じた職務職能基準書を作成・提示すること。

6)今後、名称の変更や業務の内容の変更がある場合は事前に職務職能基準書を作成・提示すること。

7)新入協の職員には職務職能基準書をわたすこと。新人事諸制度手引書(職員用)をわたすこと。

3.職場のモラルおよび労働安全衛生に関する要求

1)2015年6月に2名の職員に対し、退職強要の面談をおこなったことを明らかにし、本人に謝罪すること。組織として、二度としないこと。

2)SDカードの申請は本人の意思を尊重し、強制しないこと。

3)支所を施錠し鍵をポストなどに入れ全員配送に出払う様な状況を作らず、責任者を支所に残すこと。

4)全事業所に独立した男女別々の更衣室をもうけること。

5)パワーハラスメント、セクシャルハラスメントの有無について実態調査を行い、全職員に防止のための学習・啓発を行うこと。

6)配送部門のストレッチ体操を、腰痛予防の観点から検証し見直すこと。また作業開始前に体操を行うように徹底すること

7)始業前の積み込みなど業務と思われる行為はなくすこと。

8)労働災害が起きた場合、すみやかに必要書類を当該職員に渡すこと。またその事例や防止策を職員全員に周知徹底させること。労災発生時の対応マニュアルを作成し、労災隠しが起こらないように所属長に指導・教育を徹底すること。

9)11月の過労死等防止啓発月間で、労働組合と産業医との懇談やシンポジウムなど啓蒙活動に取り組むこと。

10)生協で働く全職員のインフルエンザの予防接種に補助を行うこと。

11)中央労働安全衛生委員会を開催すること。

12)各職場で労働安全衛生委員会を早急に開催すること。法令で開催を義務づけられている職場では日程を明らかにし、開催すること。

13)岩出中央店の2年以上にわたる長時間労働・36協定違反をいつまでになくすか、施策をしめすこと。

14)管理職もふくめた役員以外の全職員の業務時間の管理はタイムカードで行うこと。

4.職場運営・人員に関する要求

1)全事業所、全部門ごとに、正規・パート・アルバイトなど雇用形態別の必要人数を明らかにすること。

2)全事業所、全部門ごとに、不足している人数をいつまでに、どのようにして補充するのか明らかにすること。

3)昼休みの確保および安全や健康管理面からも、午前・午後で異なる支所の配送はさせないこと。

4)わかやま市民生協での派遣期間が3年を超えた派遣労働者は、直接雇用とすること。

5)派遣労働について、同様の職務があるにもかかわらず、3年を目途とした派遣労働者の入れ替えは行わないこと。また、派遣元が生協に対し、その労働者の直接雇用を申し入れたら、拒否せず、受けること。

5.パートに関する要求

1)パート職員の基本職務給(平日時間給)は職務給表PJ1(1号700円)を最低でも県の最低賃金731円以上とし、その上げ幅に応じてすべての職務給表の内容を底上げすること。

2)すべての有期雇用者の契約を無期雇用とすること。もし、これが困難な場合は、すでに5年以上勤務している者は無期雇用とすること。

3)現在、パート職員の無休の生理休暇を、正規職員と同じように有給の特別休暇とすること。

4)パート職員の休職制度を見直し、期間や復職等の規定は正規職員に準ずるものとすること。

5)パート職員から正規職員への登用制度(公募制など)を作ること。

6)所属長から出勤要請があり、その結果年収が103万円、あるいは130万円を越えそうな場合、労働者の不利益にならないよう、欠勤扱いではなく無給の特別休暇をあたえること。

6.その他の要求

1)パート・アルバイト・シニアスタッフ職員に、基本職務給・付加給・手当と調整給の関係を説明し、1か月賃金および一時金の計算の方法を、周知徹底すること。労働組合にも説明すること。

2)シニアスタッフ、アルバイト職員は平日時間給731円以上とすること。

3)シニアスタッフ・アルバイト職員に通勤手当を支給すること。

4)シニアスタッフ・アルバイト職員に日祝手当・年末年始手当・年末年始特別手当を支給すること。

5)制服としての配送ズボンを支給すること。支給しないときは理由を述べること。

6)妊娠判明時には、男女雇用機会均等法の“働く女性の母性健康管理措置、母性保護規定”等の法の趣旨にそって配慮を行い、継続できる仕事をあたえること。退職勧奨はおこなわないこと。

7)傷病で現行業務に支障をきたす場合、部署異動や作業軽減等の対応をすること。

8)傷病等で休み、その事由が消滅したときはすみやかに復職させること。

9)障害者雇用制度の道筋をしめすこと。2014年の回答にある検討の結果の状況を報告すること。

10)休職からの復職プログラムを早急に作成すること。そのための労使協を早急に開催すること。

11)正規職員の退職金制度について協議をおこない明文化すること。そのための労使協議会を行うこと。

12)全職員、65歳まで定年延長すること。

13)正規職員の永年勤続表彰時には規定通り金一封をあたえること。

14)2020年までに最低賃金を1000円以上に引き上げるとした政労使合意に基づき、理事会としてわかやま市民生協の職員の時間給1000円以上とする道筋を示すこと。

7.労使間の民主制に関する要求

1)労務月報は毎月5日までに前々月分を提示すること。供給などの速報値は毎月5日までに前月分を提示すること。また、提示内容の間違いのミスを無くすこと。

2)2009年9月から2013年1月に渡る労務月報の不備、未提示分について、いつまでに提示するのか、期限を明確にし、提示すること。

3)定期的に経営協議会を開催すること。

4)わかやま市民生協諸規定集の最新版を労働組合に提出すること。別表も提示すること。

5)正規・パート職員の採用説明時に、ユニオンショップ協定に基づき、入協と同時に労働組合に加入することは説明すること。

6)正規職員については入協時の研修で、労働組合がガイダンスを行う時間を確保すること。

7)人事制度の考課対象期間変更など重要な制度変更は、2005年4月1日付「人事制度に関する協定書」第3項に基づき、事前に労働組合と協議を行うこと。

8)アルバイト職員就業規則第27条の別表を明らかにすること。

Ⅳ.事業所の具体的要求

物流センター

1)「物流センター特別手当」を見直し、アップすること。

2)3年以上の勤務実績があるアルバイト職員については、本人の希望に基づきパート契約に切りかえること。

本部

1)商品の担当に正規職員を1名配置すること。

2)正規職員にロッカーを与えること。

営業

1)一般道を使用し、片道2時間以上かかる遠距離通勤や、急な事業所間移動をともなう配送業務には高速代を支給すること。

組合員サービスセンター

1)早急にパート職員を採用すること。

支所

1)班での対話時間を確保するための配送班数や供給高についての適切な基準づくりを行うこと。

2)AP配送のため休憩がとれないコースは、コースメンテナンスをおこない昼休憩未取得をなくすこと。

3)コース改善に伴うメンテナンスに関わる作業は、所属長の判断で時間保障すること。

4)業務用の携帯電話は、組合員サービスセンターと支所に限定して掛けられるようにすること。

5)配送車両は古いものから随時入れ替えること。

6)パート支所長不在時における支所運営をスムーズに行うための仕組みづくりを行うこと。

7)田辺支所に、人事異動で、住居を引っ越した3人に、規定通り「赴任手当」を支給すること。

岩出中央店

1)資格給制度をもうけること。

2)持ち帰り残業の実態を調査し、報告すること。

3)午前と午後の交代がスムーズにおこなえるオペレーションを確立すること。

4)部門ごとに労働安全衛生の会議をひらき、諸問題を解決すること。

以上

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