2016年度春闘要求書

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2016年度春闘要求書

2016年2月24日

わかやま市民生活協同組合 専務理事 殿

わかやま市民生協労働組合

執行委員長

2016年度春闘要求書

貴理事会の「生活と健康・くらしと平和を守る」日頃のご奮闘に敬意を表します。

私たちの厳しい生活実態、労働実態に基づき、ここに「2016年度春闘要求書」を提出します。

貴理事会には、私たちをとりまく情勢、私たちの切実な要求を真正面から受け止め、誠実で積極的な回答をいただけることを切実に要望いたします。

要求主旨

1. わたしたちおよび2016年春闘をめぐる情勢の特徴

(1)戦争法即時廃止・戦争をする国づくりにSTOPを

安倍政権は、集団的自衛権の行使を可能とする戦争法(安全保障関連法)を2015年9月19日に強行成立したのをはじめ、平和主義・立憲主義・民主主義を破壊し、アメリカとともに戦争する国づくりの暴走を続けています。

このことに対して、不安と危険を感じる若者・学者・ママの会・弁護士など様々な分野で国民世論が高まり、それらの市民団体有志が12月20日に参院選に向けた野党共闘を促進するための「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合(略称=市民連合)」も結成されました。

(2)くらしと営業を破壊するアベノミクスの失敗

2013年に始動したいわゆるアベノミクスは、日本経済を再生するとして「3本の矢」を放ちましたが、大企業は空前の利益を上げ、資本金10億円以上の大企業の内部留保は300兆円を超えました。

一方で、消費税8%への増税と円安による物価高、低下し続ける実質賃金などで、労働者・国民の暮らしは厳しさを増すばかりです。

戦争法から国民の眼をそらそうという姑息なたくらみと、アベノミクスの失敗のごまかしの為に突然「1億総活躍社会」を実現するとして「GDP600兆円」「希望出生率1.8」「介護離職ゼロ」などの「新・3本の矢」が具体策は何も示されないまま打ち出されています。

(3)大幅賃上げと最低賃金の大幅引き上げを

安倍首相は、昨年11月24日の経済財政諮問会議で、最低賃金を毎年3%程度引き上げ、平均1,000円程度をめざすと述べ、「GDPにふさわしい最低賃金にする」と現状の低さを認めざるを得ませんでした。

2015年10月からの最低賃金は、全国加重平均で時給798円、和歌山は731円です。この水準では、労働基準法が求める「人間らしい暮らし」はできず、いますぐ1,000円以上に引き上げることが必要です。

最低賃金を引き上げるためには、中小企業への支援の拡充が欠かせません。 欧米では、政府が主導して、社会保険料の事業主負担分の補助や中小企業向けの大幅減税を実施し、最低賃金の引き上げを推進しています。

全国の企業の99.7%、労働者の7割を雇用する中小企業への支援の大幅拡大が、最低賃金引き上げのカギであり、最賃の引き上げで景気を回復することが王道です。

(4)男女ともに安心して働くルールの確立を

安倍政権は「女性の活躍」と言っておきながら、財界の求めるままに労働時間規制を緩和し、非正規雇用を全労働者の4割までに拡大して、男女雇用機会均等法やパート労働法の抜本改正をなおざりにしてきたことで、女性の平均賃金が男性の約半分(男性平均年収514万円、女性272万円/2015年9月発表、国税庁「民間給与実態調査」)に過ぎず、ワーキングプアと呼ばれる年収200万円以下が、女性労働者は全体の42.9%を占めているという実態です。

本当の意味での「女性の活躍」に近づけるには、長時間労働を抜本的に変えること、実効性ある労働時間規制、労働者派遣法改悪など労働法制改悪を許さず正規雇用が当たり前のまともな雇用の在り方、男女の賃金格差・間接差別をなくすなど、男女ともが人間らしく働けるルールの確立こそが求められています。

(5)核兵器全面禁止の実現を

1月6日、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が、水爆実験をおこなったと発表されました。このことは、この間の国連安保理の諸決議や朝鮮半島の非核化をめぐる合意だけでなく、核兵器の廃絶を求める世界諸国民の願いに逆らうものです。

昨年のNPT(核不拡散条約)再検討会議では、米英などの反対により最終文書を採択できずに閉幕に至りましたが、引き続き私たちは唯一の被爆国の運動として、すべての国、とりわけ核保有国の政府に対して、核兵器全面禁止の行動をただちに起こすよう、強く要求し続ける必要があります。

(6)日本の農業などを破壊するTPP「大筋合意」撤回を

TPP交渉は昨年11月に「大筋合意」文が発表されましたが、国会でも十分説明されていませんし、参加したカナダやアメリカ国内からも批判が相次ぐなど、批准の見通しは立っていません。

米・麦などの農産物重要5品目を交渉から「除外もしくは再協議」するとした国会決議に違反し、全農産物の関税撤廃にむけての再協議機関の設置、薬価や医療の営利化も明らかになっています。

政治と金の問題で担当大臣が辞任するなどの問題が出てきた中で、今後は今国会に批准案提出の動きがありますが、多国籍企業を後押しし、国内農業への打撃など食料主権を脅かすことにつながるTPPは国会批准をストップさせる必要があります。

(7)生協事業と職場の状況

2015年9月までの全国地域生協(63生協)の経営状況は、供給高累計で予算比102.3%、経常剰余では同272.3%と好調を維持しています。

経常剰余率は総合で1.3%(前年1.2%)と前年伸長しています。

供給高累計を部門別に見ても店舗で前年103.9%、宅配でも103.6%と好調を維持しています。

その一方で、生協職場では深刻な人員不足の状況が続いており、採用につなげようと一時金・退職金・福利厚生制度の原資を時間給に付け替えるなどの対応は取るものの、抜本的な改善にはつながっていません。

これは今いる労働者の時間給との間に新たな矛盾を生んだり、長時間過密労働の慢性化、さらには不払い労働として現われており、均等待遇の実現を阻んだり、現場が疲弊しメンタル不全になってしまうなどの問題につながります。

現場の実態を直視し、労使で真摯にその解決に向けた議論を行うことが喫緊の課題となっています。

2. わかやま市民生協の労働者の状況

(1)生活実感アンケートから

2016年春闘のための生活実感アンケートで、わかやま市民生協で働く労働者は「展望あり働き続ける」は正規5.3%(全国平均24.3%)、パート12.5%(全国平均23.9%)と全国平均を大きく下回る回答となっています。

また、「展望ない」でくくると正規は71.1%(全国平均51.8%)、パートは55.8%(全国平均44.5%)と全国平均を大きく上回っています。

「展望ない」理由として掲げられている内訳を見ると、正規・パート共に「処遇や労働条件」(正規35.2%、パート34.3%)がトップで、次にパートは「職場の運営」(22.2%)、正規は「理事会の政策」(25.9%)が続きます。

全国一高い経常剰余率を誇る経営状況の中で、労働者への待遇や日常の運営に問題があると言わざるを得ません。

(2)人手不足と働き方・働かせ方

2月19日に開かれた第30回臨時大会では、すべての職場から人員不足の問題が発言されました。

先の最低賃金を下回る基本時間給の問題、雇用保険なしが横行する契約時間での職場運営など労働者の働くルールを軽視する政策が人員確保をますます困難にしています。

パートの採用は13年度(4~3月)109名から昨年14年度(4~3月)68名、今年15年度(4~1月現在)43名と困難性を増しており、純増に至っては14年度で▲18名、15年度(1月現在)で▲5名とこの2年近くの間に23名減少しています。

非正規職員は、低すぎる時給や雇用保険加入基準に満たない短時間契約の見直し、実態に応じた契約時間の変更等の労働条件の改善、そして社会的流れに沿った雇用の無期化など、働かせ方の改善が必要不可欠な状況となっています。

物流センターにおいては、足りない人材をアルバイト採用に頼っており、時給の低さや交通費が無い問題も人手不足の一因となっています。

正規職員についても採用は困難な状況で、逆に退職は後を絶ちません。

中々上がらない若年層の低い賃金、格付けの一方的変更等、その運用も含めて評価制度に基づく賃金制度そのものが生協労連からも問題視されています。

3. 最後に

16春闘は、暴走する安倍政権から民主主義、立憲主義、そしてまともな雇用と暮らしを取り戻すたたかいと同時に、すべての労働者の大幅賃上げによってくらしを守り、経済の好循環を作ることが求められています。

わかやま市民生協には、社会的責任と公共性という視点からも、生協運動の前進と同時に雇用主としての労働者の生活改善と地域経済活性化への貢献が求められています。

退職強要などが起こらず、人が大切にされ人が辞めない職場とは、真のコンプライアンス経営とはどうあるべきか、地域から信頼される生協とはどうあるべきかを労使で構築する春闘となることを望むものです。

真摯に検討され、それぞれの要求に対し、項目ごと個別具体的に誠実な回答を示されることを強く求めるとともに、「現行通りとする」「改善を考えていない」とするときは、その理由を明記すること。

また、回答は文書にて、全国一斉回答指定日である3月16日(水)までに提示下さい。

具体的要求

(1)賃金・一時金に関する要求

①    2015年度・年度末一時金をすべての職員に一律2万円支給すること。

②    パート職員の時間給を誰でも1,000円以上に引き上げること。パート職員に入協10年目まで時間給10円アップの定期昇給を行うこと。

③    正規職員の月例賃金を誰でも1万8千円以上引き上げること。

④    正規職員に年齢給を設け、35歳まで定期昇給を行うこと。

⑤    年間の一時金の予算組は正規3.5ヶ月、パート3.5ヶ月を下回らないこと。

⑥    再雇用・アルバイト職員についても一時金の予算組みをすること。

⑦    夏期一時金は正規職員に1.89ヶ月、パート職員・再雇用職員・アルバイト職員に1.75ヶ月を支給すること。

⑧    2015年度、2016年度の年齢別最低保証賃金を明らかにし提示すること、該当者には調整給を支払うこと。

⑨    エリアスタッフ(パート)の配送手当を廃止し、誰もが賃下げにならないように時給に組み込むこと。

(2)年間休日、労働時間、有休取得に関する要求

①    正規職員の2015年度年度の指定休日の個々の取得状況を明らかにし報告すること。

②    店舗正規職員の年間休日の月毎の取得状況を明らかにし、報告すること。

③    2015年度の年間日程を早急に提出すること。

④    2016年度の営業日程、年末年始配送日程等の年間日程を5月末までに示すこと。

⑤    年間休日は117日を下回らないこと。

⑥    正規職員・パート職員全員に法定時間どおりの昼休憩をとらせること。

⑦    指定休日は本人の希望等を基に計画化を速やかに行い、年間を通してゆとりをもって取得を行わせること。

⑧    半日有給休暇制度を設けること。

⑨    管理職も含めて、タイムカードで管理すること。

(3)職場と人員に関する要求

①    支所応援コースの人員補充について、いつまでに改善出来るのかどうか報告すること。

②    物流センターの人員不足の解消にはアルバイト採用ではなく、パート採用を優先して募集を行う事。また、地域の農繁期など採用難とならないための施策を示すこと。

③    本部で、退職または異動等により、直雇用職員が減少し人員が不足しています。速やかに減少した直雇用職員をその雇用形態に基づき人員を補充し、体制を確保すること。

④    派遣はあくまでも臨時的な仕事にのみ限定し、恒常的な人員確保には直接雇用である正規職員もしくはパート職員の採用をおこなうこと。

(4)パート・再雇用・アルバイトに関する要求

①    アルバイト職員は、本人の希望に応じて、パート雇用にすること。

②    パート職員から正規職員への登用制度(公募制など)を作ること。

③    エリアスタッフ(パート)で契約曜日、契約時間外で、今年度の9月から12月で配送したコース数を事業所毎に明らかにすること。

④    エリアスタッフ(パート)で、週労働契約が20時間未満契約者で今年度の9月から12月の3か月間で実労働時間で週平均20時間を超えた人数について、対象者数及び該当者数を明らかにすること。

⑤    エリアスタッフ(パート)に契約時間外での配送を依頼した際、3ヶ月を超える毎週の契約時間外での就労実態が結果としてあった場合は本人の希望を聞き、契約時間を見直すこと。

⑥    フロアスタッフ・物流パートについて、契約時間は本人の希望により調整すること。また、契約時間は守ること。

⑦    法律に沿って、実際に就労した時間で雇用保険や、社会保険の対象になる方には説明をし、保険をかけること。

⑧    パート・アルバイトなど非正規職員の採用にあたっては、基本的に雇用保険が掛けられる20時間以上の契約とすること。

⑨    生理休暇を、正規職員と同じようにすべての女性職員に有給の特別休暇とすること。

⑩    人員不足等の理由で所属長からの出勤要請によって実労働時間が増え、その結果配偶者控除103万円を超えそうな場合、無給の特別休暇をあたえること。また、パート職員に11月給与時点での年間所得額を知らせること。

⑪    パート職員の休職制度を見直し、期間や復職等の規定は正規職員に準ずるものとすること。

⑫    パートタイマーなど、生協で働くすべての有期雇用労働者の契約を2016年度から無期雇用とすること。

⑬    契約時間を超える労働に対しては残業代(割り増し賃金)を支給すること。

(5)労働安全衛生に関する要求

①    パワーハラスメント・セクシャルハラスメントについて実態調査を行い、防止のための学習・啓発を行うこと。

②    休職者の職場復帰プログラムを作ること。

③    健康診断は極力1月末に完了するように行うこと。

④    労働災害が発生した場合、速やかに対応を行うこと。またその事例や防止策を職員全員に周知徹底すること。労災発生時の対応マニュアルを作成し、年に1回、所属長に指導・教育を徹底すること。

⑤    各職場での労働安全衛生委員会の体制を明らかにすること。

⑥    1月の中央労働安全衛生委員会の開催後のニュースを早急に出すこと。

⑦    今年度から法律で定められたストレスチェック制度について開催時期と取り組み内容について報告すること。

⑧    始業前の積み込みなど、業務と思われる行為はなくすこと。

(6)分会毎の要求

① 支所

1)    昼休憩の確保のため、また契約時間外の労働・残業とならないように、午前配送コース、午後配送コースとも適正な帰所時間を設定すること。

2)    午前と午後で異なる支所の配送はおこなわせないこと。

3)    班での対話時間を確保するための配送班数や供給高についての適切な基準づくりを行うこと。

4)    宅配(個配・地域デポ)手数料や加入時出資金など組合員が利用しやすく、他生協や他流通と比べても魅力的な内容に改善すること。

5)    支所を施錠し職員不在の状況で全員配送に出払う様な状況を作らず、責任者を支所に残すこと。

6)    本部、橋本、田辺、御坊支所に女子更衣室と同様に男子更衣室をもうけること。一方がただのスペースのような差別をやめること。

7)    冬の雪道対策として、全ての車両分のタイヤチェーンを用意し、全担当者が装着訓練を行い装着できる環境を整えること。

8)    山間部コースの配送車両については、スタッドレスタイヤ装着車両を増車すること。

9)    配送車両の入れ替えはいつから、また何号車から始めるのか報告すること。

10)    配送担当に、配送ズボン(制服)を支給すること。

11)    業務用の携帯電話は、組合員サービスセンターと支所に限定して掛けられるようにすること。

② 湯浅物流センター

1)    「物流センター特別手当」を見直し、アップすること。

2)    ドライの非連動ゾーンの暑さ対策をおこなうこと。

3)    シニア職員・アルバイト職員に忌引き休暇をあたえること。

4)    タイムカードの機械を修理もしくは交換すること。

5)    プリンターを新しいものに交換すること。

③ 本部

1)    3年を超えて派遣契約を行っている部署の雇用は見直し、ただちに直接雇用の採用とすること。

2)    担当者の交代による引き継ぎ業務を行う際には、十分な期間を確保すること。

3)    正規職員にロッカーを与えること。

④ 岩出中央店

1)    業務上で必要な資格取得者には資格手当を支給すること。

2)    パート職員は現在の契約時間に関わらず、17時以降も仕事をした場合、アルバイト職員と同様に時給を30円アップすること。

3)    持ち帰り残業の実態を調査し、報告すること。

4)    部門ごとに労働安全衛生の会議をひらき、諸問題を解決すること。

5)    6時間を超える勤務には45分の休憩をあたえること。

6)    労働契約時間は本人の希望により調整をすること。また契約時間は守ること。

7)    長時間労働が常態化しないようにすること。

(7)労使間の民主性に関する要求

①    正規パートともに格付けの変更、または賃金表の書き換えなどがある場合は事前に情報公開し、労働組合と協議をおこない、合意の後おこなうこと。

②    橋本支所(新支所)、那賀支所(リニューアル)の場所や施設内容について早急に報告すること。

③    2015年度事業・経営の到達見込みを報告・提示すること。

④    2016年度事業・経営の計画(案)を提示すること。

⑤    今後の出退店と支所統廃合および新規事業について計画を明らかにし、事前協議をおこなうこと。

⑥    今までの雇用形態と違う雇用を行う場合、労働組合と協議を行うこと。

⑦    賃金・人事制度の変更は労働組合との充分な協議時間を保障すること。

⑧    「1月8日付2016年度4月期採用内部募集について」に関して、人事制度の変更でもあるため、労働組合に趣旨の説明をすること。

⑨    この間開催していない物流協議会、店舗協議会を開催すること。

(8)    その他の要求

①    業務で使用するパソコンを新しいOS対応の物に変えること。

②    駐車場代は生協で負担すること。

③    妊娠時には、母胎に悪影響を及ぼさない職務への変更をすること。

④    業務内外に関わらず、傷病で現行業務に支障をきたす場合、部署異動や作業軽減等の対応をすること。

⑤    すべての職員に年1回のインフルエンザ予防接種の実費補助を行うこと。また無料で健康診断をうけさせること。

⑥    パートの永年勤続表彰に20年・30年を追加すること。

⑦    正規職員、パート職員の60歳定年を延長し65歳とすること。

 

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