パワーハラスメント防止ガイドライン
パワーハラスメント防止ガイドライン
生協労連いのちと健康を守る対策委員会
1.目的
職場からパワーハラスメントを一掃し、全職員が参加して、「イキイキ働ける職場」「ものの言える職場」「人格の尊重される職場」づくりを促進することを目的とします。
2.パワーハラスメントの判断基準
- 職権や地位のパワーを背景にした言動であること。
- 本来の業務や指導の範疇をこえて、人格と尊厳を傷つける言動を行うこと。
- 継続的に繰り返し行われること。
3.パワーハラスメントになりうる行為
★「仕事が遅い」「残業はさせないから」「忙しいのに休憩している暇ないよ」など、休憩をとらせないこと。
★「目標達成しないのに休むんだ」「仕事できないやつほど休むんだよな」など、休日を取りづらい雰囲気をつくったり、取らせないこと。休日出勤を強要すること。
★「そんなの時間内にできて当たり前だよね」「今月はもう残業予算ないから」「目標も行かないのに、ムダな残業ばっかりして」など、残業申請しづらい雰囲気をつくって、サービス残業をさせること。
★異動、転勤の強要、昇進の妨害、あまりにも低すぎる査定。
★業務上必要な資料や情報を提供しないこと、仕事を教えないこと。
★わざと雑務をさせて、本来の仕事をさせないこと。もしくは、業務指示をしないで、仕事でミスをさせること。
★仕事の失敗の責任を部下や、他人に押し付けること。
★「何年も働いて、その程度か?」「給料だけは一人前だよね」「親の顔が見たい」など、執拗に嫌み、ひやかしなどでからかうこと。
★職場での集まりに特定の個人を呼ばなかったり、なかま外れにすること。話しかけられても無視をすること。
★「不正をやっているようだ」「在庫が合わない、あいつが持ち出しているんじゃないか」など、ありもしない噂を流したり、中傷すること。
★賞味期限のごまかし、在庫の水増し、労災申請をさせないなど、法違反、規律に反する行為を強要すること。
★飲み会へ強制的に参加させたり、飲酒を強要すること。断った相手にたいして、嫌がらせをすること。
★事務所、会議室など、個室に呼び、執拗に延々と長時間に渡って、一方的に説教をすること。
★「目障りだ」「役立たずなやつだ」「オマエなんかいらない」など、人格や存在を否定する言動を行うこと。
★些細な仕事のミスを取り上げて、「あいつは、最近少しおかしい。うつ病じゃないのか」と、周囲に言いふらし、病人扱いすること。
★売場や生協組合員の前、全体ミーティングなど職員の前で、見せしめかのように人前で執拗に怒鳴ること。
★足で蹴ったり、頭を叩く、殴るなどの肉体的暴力、人前で土下座をさせたり、物を投げつけるなどの行為をすること。
4.管理者として認識すること
「ものの言えない職場」は、仕事、職場運営、労働者の心と体の健康状態などにおけるさまざまな問題を覆い隠します。管理者はそうした状況を生まないよう、パワーハラスメント防止と一掃にとりくむものとします。
- 自らの言動や部下の言動が、パワーハラスメントにあたらないか、十分注意すること。
- 部下に対して業務上、職場運営上の指示を明確にすること。
- 業務上、組織運営上の問題の先送りは、経営政策、指揮・命令系統で起きている矛盾を拡大することなること。
- 部下を「育てる」という意識をもって指導すること。
- パワーハラスメント防止について周知徹底すること。
- 部下から相談を受けた場合は、相談者のプライバシーに配慮しながら、実態を調査し、しかるべき部署、窓口を通して対応すること。
5.職員として認識すること
(1)パワーハラスメントを受けていると感じたら
- 自分1 人で抱え込まないで、職場の同僚に相談すること。職場で解決できない場合は、経営の相談窓口や、労働組合に相談すること。
- 自分がパワーハラスメントと感じたときは、日時やパワーハラスメントと思われる言動を記録しておくこと。
(2)パワーハラスメントを見聞きしたときは
- 受けている職員が一人で悩まないよう、声をかけること。
- パワーハラスメントをしていることを放置しないで、注意すること。
- 必要な場合は、相談窓口や労働組に相談すること。
(3)自分がパワーハラスメントの加害者にならないために認識すること
- パワーハラスメントは相手からの明確な拒否の意思表示がないこと。
- パワーハラスメントはしている本人にも自覚がないこと。
- 感情にまかせた言動はパワーハラスメントになる可能性のあること。
6.苦情・相談への対応
(1)相談窓口
- 生協内 ⇒ 部署・担当者名・連絡方法を記入
- 外部 ⇒ 名称・担当者・連絡方法を記入
(2)相談があった場合
相談者のプライバシーに配慮し、必要なヒアリングや職場実態を調査すること。パワーハラスメントの事実があった場合は、パワーハラスメントを行った本人に対し、二度と発生しないよう対策を求めること、適切な指導を行うこととします。
(3)対応図
7.生協としてとりくむこと
①問題を先送りしない体質をつくること
職場運営上でさまざまな問題があっても、手を打たず先送りして、放置しておくことは、経営政策や、指揮・命令系統で起きている矛盾を広げるだけです。作業改善について話し合える職場運営と、そこで出された意見がマネジメント改革につながるようなしくみづくりを検討すること。
②現場実態を伝え、分析すること
自分たちの指示したことや目標が、実際にどのようになっているのか、出てきた数字だけを見るのではなく、その数字がどうしてそうなっているのか、現場の実態やラインを分析すること。
③気持ちと仕事にゆとりをつくること
長時間労働、作業改善にもとりくみながら、ひとり一人が自分の仕事に向き合えるゆとりをつくること。手一杯でゆとりがない状況では、人を育てたり、能力を引き出そうという仕事はできません。
④上が下を押さえつけているマネジメントを改善すること
どうやったら仕事がうまくいくのか、現場から経営改善のための意見を吸い上げることも、仕事の効率、生産性の向上につながります。命令・指導するだけではなく、現場からのフィードバック機能を確立すること。
⑤職場実態調査で問題を把握すること
この間の「食」に関わる事件、事故は、誰もが率直に「モノの言える職場」になっていなかったことが、背景にあります。職場のコミュニケーションは円滑に行われているのか、間違ったことを、間違っていると言える職場になっているのか、点検すること。
⑥相談窓口の設置
セクハラ相談窓口同様に、パワーハラスメントに関して相談できる窓口を設置すること。また、窓口に寄せられた事例を整理し、共有化すること。
⑦管理者教育に位置づける
「パワーハラスメントとは何か?」「部下の話の聞き方」「部下への話し方」「人権侵害とは?」など、メンタルヘルスや、セクハラ教育と同様に、パワーハラスメントについても管理者教育に位置づけること。
⑧管理者として適格か
セクハラをした場合は、管理者として不適格、再教育、降格というように、パワーハラスメントについても人事考課や、配置などについて検討すること。
⑨労働安全衛生委員会の課題に設定
労働安全衛生活動にパワーハラスメントの課題を位置づけること。
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