2018年9月26日ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会・県地評の文書

カジノはいらない。県民のくらしをまもり、憲法がいきる県政に変えよう!

2018年9月26日

ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会

和歌山県地方労働組合評議会 常任幹事会

はじめに

11月8日告示・25日投票で、和歌山県知事選挙が行われます。現職の仁坂吉伸知事と「ゆたかで住みよい和歌山県をつくる会」(以下「県つくる会」 県地評も加入)から、畑中正好氏が立候補を予定し、一騎打ちの選挙となる可能性が高くなっています。

今回の選挙は、安倍政治への批判の声を和歌山から広げ、カジノ誘致を進める一方、病院のベッド削減・社会保障の後退をすすめる仁坂県政を転換し、和歌山の人と地域を守る県政をつくる選挙となります。

Ⅰ.「つくる会」型選挙で積み上げてきた成果

「県つくる会」は、県政に対する願いを持ちよって、労働組合や民主団体・個人が、それぞれ一致する要求に基づいてその実現をめざし、県政の刷新をめざす組織です。

「県つくる会」でたたかう県知事選挙は、議員選挙などのように党派を争う選挙ではなく、労働組合や団体などが自らの要求実現のために「県つくる会」に結集して、候補者を擁立してたたかう協力共同型の選挙です。

「県つくる会」ではこの間、8回の県知事選挙をたたかってきました。この間の知事選挙では残念ながら当選にはいたりませんでしたが、雑賀崎沖埋め立てや紀伊丹生川ダム建設中止、子どもの医療費の小学校入学前までの無料化、官製談合との決別のための入札制度の改定、福祉医療制度の存続などなど、その時々の県政の問題点を指摘し、直面する県民要求の前進に大きな成果をあげてきました。

前回の知事選挙で訴えた子どもの医療費の無料化は、県政は背を向けていますが、市町村で大きく前進してきています。この前進は、知事選挙を攻勢的にたたかったことと結びついての前進です。

Ⅱ.知事選挙で問われる4つの転換

1.9条改憲・戦争する国づくりノーの声を和歌山から。憲法をまもり、何よりも命と平和をまもる県政へ

仁坂知事は、戦争法、共謀罪法に対し、国会審議などで違憲性やウソが明らかになった政府説明でもそのまま引用して、これらの違憲立法を肯定してきました。

戦争法案に対しては、「政府は、安全保障に係る現在の体制が十分でないという問題認識に基づき、法整備を図ろうとしております」

国民の反対の声に対し―「防衛や安全保障や自衛権のあり方などの議論を嫌悪するということでは平和は守れない。まして『戦争法案』とかあるいは『徴兵制になる』というレッテル貼りをすることに終始していてはどうかと思う」と反対の声を批判しました。

戦争法は、集団的自衛権の行使や自衛隊がどこでもアメリカ軍の戦争に協力することを可能にするものです。

安倍首相が国会発議しようという9条改憲、「自衛隊を憲法に書き込むだけだから、何も変わらない」といいますが、これは大うそです。9条に自衛隊が書き込まれれば、海外の武力行使を制限していた歯止めがなくなり、無制限に戦争できることになります。

改憲ノー、立憲主義を取り戻せの声を、仁坂知事への審判で和歌山から示しましょう。

今、沖縄の辺野古新基地建設をはじめ、米軍横田基地へのオスプレイ配備と訓練など、アメリカいいなりの米軍基地強化や政府のイージスアショア配備など軍事対応路線に対して、住民の命と安全を守るために地方自治体が激しく抵抗しています。和歌山でもオスプレイの防災訓練参加、その後もオレンジルートでの飛行訓練がおこなわれており、憲法を生かす立場で国にものをいう県政が求められます。

2.カジノはいりません。安心して住める街づくりと自然、文化を大切にして、観光振興をはかります。

カジノ実施法が強行され、知事は「ギャンブル依存症などの問題は法と県の規制で対策できる」として当初の「外国人専用」の条件をあっさり変更、「国内3カ所に入るよう全力」と誘致に必死の姿勢を示しました。マリーナシティに誘致する「和歌山県IR基本構想」を作成しました。全国では「和歌山を含む有力4カ所から3ヵ所選定」といわれており、今年度も7000万円を予算化して、カジノ事業者からの事業案を募集するとしています。

実施法は、カジノ入りびたりを容認する「入場制限」(週3日、4週で10日など)や6,000円の入場料など、なきに等しい規制で依存症対策になりません。県の基本構想は、現金を「IRカード」に替えるなどというものにすぎず、また「学校でギャンブルの危険性を教える」などとしていますが、子どもたちに「危険性」を教えなければならないものをなぜつくるのか、まったく理解できないものになっています。

知事らはカジノが経済振興につながるとしていますが、ギャンブルは何の生産物も生み出さず、進出してくるのはカジノの巨大事業者であり、そのターゲットは日本人の貯蓄、金融資産です。「成長戦略」どころか、日本人の貯蓄を海外のカジノ資本に差し出すものにほかなりません。和歌山県への外国人宿泊客は、2016年に史上最高となり、2017年は少し減りましたが、この10年間(2008-2017年)でみると、ほぼ3倍(16.8万人→47.6万人)に増えています。世界遺産など自然、歴史、文化という和歌山のよさが発揮されているからです。

知事選挙で「カジノはいらない」の県民の意思を示しましょう。和歌山のよさを生かした観光振興をはかりましょう。

3.病院ベッド数削減の地域医療構想など、国いいなりに社会保障削減をすすめる県政をかえ、県民のいのちをまもるために独自の社会保障の充実をはかる県政へ

国の社会保障費抑制がすさまじく進められています。安倍自公政権は、この間「医療・介護総合法」や「医療保険改革法」など、公的医療・介護制度を土台から変質させる改悪を次々と行ってきました。社会保障予算の削減のために、都道府県に医療費をコントロールさせ、医療施設から介護施設、さらには在宅へと患者を移動させるしくみづくりをになわせようとしています。

国いいなりに県は「地域医療構想」を策定し、全体の2割にあたる2,600床のベッド数削減を計画、推進しています。公立病院を中心に、病床転換、廃止が始まっています。

介護保険料はことし、23市町村で値上げされ、県平均基準額は全国で4番目の高さです。県単位化された国保料(税)は、県が市町村の一般会計からの繰り入れを廃止し、統一保険料をめざす方針を決めました。

「社会保障は国の仕事」などと言って、どんなに切実な要求があっても、国いいなりに社会保障を切り捨てていたのでは、県民のくらしは守れません。地方自治体本来の仕事―くらしと福祉の増進のために、独自の福祉施策を充実させることが必要です。

4.県民のくらしによりそい、くらしを支える県政を

安倍政権の経済政策―「アベノミクス」が、格差と貧困をいっそう拡大し、働く層、高齢者、若者のどの層でも、深刻な実態が広がっています。

労働者の実質賃金は減少を続けています。1人平均給与月額(5人以上事業所)は1997年の341,819円から2017年には288,367円に下がり、年間で約64万円減額しました。(毎月勤労統計調査)県内の労働者のうち、非正規雇用の割合は2007年35.5%から2017年39.3%に上昇しています(就業構造基本調査)。

山形大学・戸村健作教授が都道府県別の貧困率、ワーキングプア率、子どもの貧困率を調査しました。和歌山県の貧困率(「最低生活費」以下の収入しか得ていない世帯)は2012年で21.5%(1992年は11.8%なのでほぼ倍加)、ワーキングプア率(就業世帯のうち、最低生活費以下の収入しか得ていない世帯)は、2012年で12.1%(同じく1992年は5.1%なので2.4倍)に大きく増えています。子どもの貧困率は17.5%(同じく1992年は6.1%なので、ほぼ3倍化)と、さらに増加の幅は大きくなっています。

和歌山県は小規模事業者の割合が全国1高く、第3次産業の平均規模も全国1小さい県です。「アベノミクス」の効果どころか、厳しい状況がつづくばかりです。従業者1~4人の事業所数は2009年35,876、2014年31,716で、5年間で12%も減りました(経済センサス基礎調査)。

県の主要産業である農林漁業と農山漁村は危機的な状況がつづいています。農林水産業の従業者は1980年と比べると半分以下に減っています。集落がなくなっていくという不安の声が各地であがっています。

これまでの県政は、国が経済対策などで大規模公共事業を打ち出せば、それに乗って、港湾、道路などの大規模開発を推進してきました。仁坂県政も、紀淡海峡連絡道路計画の復活を国に要望するなど、大規模開発に固執し、投資のための財源をつくる「行財政改革」として、県単福祉サービスの見直し、福祉施設の民間委託など、県民に身近な福祉やくらしの県独自制度を細かく削減してきました。

また経済政策の基本は、企業誘致と県内の成長企業支援、インフラとしての道路整備、県外、海外への販売促進です。農林漁業も「競争力の強化」、国内外での販路開拓を強調してきました。しかしこれでは地域経済を元気にすることはできません。

今求められているのは、企業の呼び込みや競争力強化といったやり方ではなく、地域と人を大切にし、地域に根ざした産業を育て、伸ばし、それによって雇用と消費を増やし、さらに力をつける振興策―内発型・循環型の地域振興策に転換することです。

農林漁業を県経済の基幹産業に位置づけ、地域の雇用とくらしを支える、中小企業、地場産業を総合的に支援することが必要です。また賃金引上げや正規雇用を増やすことが、地域経済を元気にするためにも重要です。

どの地域でも暮らしていけるために、医療や福祉の基盤、地域の商店、公共交通や移動支援の充実など、くらしを支える基盤整備が必要です。

Ⅲ.首長選挙と労働組合

労働組合にとって選挙は、要求実現の重要なたたかいです。しかし、党派選挙で特定政党支持を行うことは問題です。政党や政党の候補者を選ぶ党派選挙で労働組合が支持や推せんをし、組合員に選挙運動を強要するならば、組合員の政党支持・政治活動の自由を奪うばかりか、候補者は所属する政党の方針にしばられており、ひいては労働組合が政党に従属させられることになります。

それぞれ個人として、後援会活動を行うべきものです。県地評は、特定政党支持の押しつけに反対し、政党支持・政治活動の自由を守るためにたたかってきました。

今回の知事選挙は、要求実現のために「県つくる会」を組織し、基本政策をつくりそれにもとづく政策協定を結んで候補を擁立してたたかう選挙であり、特定政党支持押しつけとはまったく性格を異にしています。

加入団体はすべて対等平等であり、候補者は民主的に討議して決定した会の政策に責任を負うことになります。

労働組合や民主的諸団体が、組織として知事選挙をたたかうといっても、構成員の中にはさまざまな意見の人もあり、支持や選挙活動を強制することは適切ではありません。支持しない自由も含め、構成員の自覚と納得にもとづいておこなわれるべきものです。

Ⅳ.具体的なとりくみと工夫を

(1)各単組・地区労の執行部で、「要求と首長選挙」についてよく論議をしましょう。

(2)県つくる会の「政策案」を検討し、自分たちの要求を持ちよりましょう。

(3)構成員に、県つくる会ニュースを届けるとともに、「選挙と私たちの要求」「政治と私たちの要求」などの学習会を開きましょう。

(4)機関会議でよく論議し、つくる会の畑中正好予定候補を支持する「支持決定」を確認します。自分たちの要求を整理し、畑中正好氏と政策協定を結びます。

(5)つくる会が発行するニュースやチラシ、それぞれの組織のニュースを、職場の仲間に届けます。可能であれば組合員だけでなく、職場のすみずみまで届けます。

(6)寄せ書き、個人カンパ、つくる会が提起する宣伝行動や演説会への参加など、組合員の自主性を尊重しつつ取り組みます。

(7)地区労単位で、「県つくる会地域連絡会」を立ち上げ、要求運動と結び地域での運動を広げます。

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