カーゴスタッフ争議完全勝利判決にあたっての声明

地域共闘裁判

130810赤旗(カーゴスタッフ裁判判決)

カーゴスタッフ争議完全勝利判決にあたっての声明

生活協同組合ユーコープ(コープかながわ、コープしずおか、市民生協やまなしが合併してできた生協)の二次下請けであるカーゴスタッフ株式会社で、個人事業主として契約していたドライバー13名が静岡地方裁判所で労働基準法上の労働者であるという判決が出されました。詳しくは下記声明文をご覧ください。

カーゴスタッフ争議 完全勝利判決にあたっての声明

2013年8月9日

生協労連 静岡県生協関連・一般労働組合 カーゴスタッフ分会

カーゴスタッフ争議 弁護団

 

本日、静岡地方裁判所第一民事部において、我々原告団が求める請求の主旨について、全面的にこれを認める完全勝利判決を勝ち取った。

第1に、原告ら13名が雇用契約上の権利を有する地位.つまり労働基準法上の労働者であることを明確に認める判決を下した。

カーゴスタッフ(株)(以下、カーゴ社)は、運送業を営む株式会社である。

会社は、ユーコープの宅配サービスの二次下請けとなっている。[委託構造:生協→管理会社→カーゴ社→ドライバー)]。

カーゴ社は、原告らを会社の指揮命令下に置いているにもかかわらず、「業務委託契約(=個人事業主扱い)」を結び、雇用契約を認めなかった。

これに対し、判決は、以下の事実を認定し、カーゴ社の違法行為を断罪したものである。

  1. カーゴ社の運送事業に必要な労働力として組み入れられていること。
  2. 個別の契約の内容はカーゴ社が一方的に決定し、原告らドライバー側が交渉する余地が全くないこと。
  3. 原告らドライバー支払われる委託料は出来高払いの形式をとっているが、実質的には労務の提供の対価としての性質を有するものであること。
  4. 原告らドライバーはカーゴ社の指定する業務遂行方法に従い、その指揮監督の下に労務の提供を行っていること。場所的にも時間的にも相応の拘束を受けており、独立した事業主としての実態は備えていないこと。

 

第2に、原告らがカーゴ社に支払った保証金、加盟金の返還を明確に認めた。

  1. 保証金についてはカーゴ社が優越的地位に基づいて強制的に取り上げるものであり、労基法18条1項に違反すること。その他,労基法16条、24条にも違反すること。
  2. 加盟金及び用品代金を徴収することについては、被告カーゴ社の[業務に必要なノウハウを教えるため]とする主張を全面的に退け、こうしたことは雇用契約を締結した使用者の当然の義務であり,公序良俗に違反する民法90条違反,給与天引き行為は労基法24条1項違反であると断じた。

 

カーゴ社は、本日の判決を受け入れ、一刻も早い雇用関係の確立と加盟金、保証金の返還を行うことを求める。

このことの実現のために全力を挙げていく所存である。

 

以上。